SUNNYSIDE FIELDS通信

チョコレートのことvol.1 / 四季を楽しむアイスクリームとカカオの個性を愛でるアイスクリームの開発秘話

2022.08.25

SUNNYSIDE FIELDSでは、6月下旬から店頭・ECで自家製のアイスクリームを販売しています。どのアイスクリームも保存料・甘味料・着色料・香料などを使わない“無添加”。「身体に優しく、美味しいアイス」を心がけてお作りしています。

今回は、特にご好評いただいている、旬の果物を使った「季節のアイスクリーム」と、カカオ豆から作る「チョコレートアイスクリーム」の開発秘話をお話します。商品の裏側にあるストーリーを伝えさせていただき、みなさんにより共感、納得していただいた上で、商品を選んでもらえたら嬉しいです。

ぶどうパフェ

 

一軒ずつご挨拶に伺い、共感をもとに繋がった農家さんとつくる季節のアイスクリーム

まずは「季節のアイスクリーム」について紹介します。

「季節のアイスクリーム」は、四季折々のフルーツや野菜をふんだんに使用したアイスクリームです。今年の夏は、桃アイスとぶどうアイスをご用意しました。猛暑が続くなか、涼しさや爽やかさを感じていただきたく、シャリシャリっとシャーベットのように仕上げています。

フィールズ2階の「畑のフルーツパーラー」で提供している「ぶどうパフェ」&「ぶどう」かき氷」でお楽しみいただけます。

 

 

清々しい見た目とスッキリとした味わいのぶどうアイスクリーム。パフェのいいアクセントになりそうです。

 

ぶどうかき氷

 

「季節のアイスクリーム」を作る上でこだわっているのは、やっぱり素材選び。ショコラティエが農家さんを丁寧に訪問させていただき、使用する果物をセレクトしています。

 

素材を決めるときに大切にしていることは「素材の味」と同じくらい、「農家さんたちと共感できること」です。

 

ぶどう

 

私たちが農園を訪問させていただく際、農家さんには畑や果物を見せていただくだけでなく、必ずみなさんとゆっくりお話をさせていただいています。フィールズと素材のコラボレーションを通して、「実現したい世界観」や「お客様に提供したい体験」など、時間をかけて膝を突き合わせて話をします。

 

「よし、あなたに決めた」とお互いが思えるまでは、妥協しません。時には、話し合いがヒートアップすることもありますが、最後には「頑張れよ」と背中を押してくださる。こうしたお互いの「共感」があるからこそ、私たちも丁寧なものづくりをしようと決心できるし、農家さんから手塩にかけた素材を譲っていただけるのだと思います。このアイスクリームは、農家さんとのつながりなくしては、実現できないものです。

 

今は店頭のみでのご提供ですが、ゆくゆくはECでも販売し、全国の皆さんに四季折々のアイスクリームをお届けできるようにします。

 

カカオだって十人十色。カカオの個性を尊重した「旅するチョコレートアイスクリーム」

続いて、自社で輸入するカカオ豆からつくるチョコレートアイスクリームについてです。季節のアイスクリームは店頭のみですが、「旅するチョコレートアイスクリーム」はECでも販売しています 。

 

「チョコレートを一年中楽しんでほしい」

チョコレートアイスクリームを作ったショコラティエは、そう語ります。夏のチョコレートは、見た目に涼しさを感じられなかったり、暑さで溶けてしまったりで、どうしても敬遠されがち。夏だからといって、チョコレートを煙たがらず、もっと好きになってほしいという、ショコラティエの熱い気持ちのもと、誕生したのがこの「旅するチョコレートアイスクリーム」です。

 

チョコレートアイスクリーム

 

旅するチョコレートアイスクリーム」は4種類あります。

● パプア州ランシキ 90%
● スンバ島ゴウラ  70%
● 東ジャワ島エデル 50%
● スマトラ島アチェ   40%

それぞれ「産地」「カカオ豆の種類」「カカオの含有量」が違います。どれも提携しているインドネシアのカカオ農園から輸入したカカオをふんだんに使っています。

 

味の違いを堪能していただきながら、お気に入りを見つけてもらいたい。インドネシアの島々を旅するように楽しんでもらいたい。だから、扱う島も、カカオの含有率も様々です。

 

この4種類にたどり着くまでに、実はいろいろと試行錯誤をしました。チョコレートは冷えていたり、冷凍されていると味が分かりにくくなってしまうんです。だから、チョコレートをアイスクリームにするのは至難の業……。カカオ豆本来の風味や味をどう維持しようか試行錯誤しました。

 

カカオ豆を選ぶ際の条件は、①冷たくても個性が失われないこと、②美味しいアイスクリームになること。条件を満たすカカオ豆を探すため、フィールズで扱っているすべてのカカオの味比べ。そして選ばれたのが、スマトラ島「アチェ」東ジャワ島「エデル」スンバ島「ゴウラ」「パプア州ランシキ」のカカオ豆たちです。

 

カカオ豆が決まったから一安心!とはいかず、個性を生かすために、カカオの含有量も肝になってきます。選んだ豆の中でも特にショコラティエの手を焼いたのが「パプア州ランシキ」でした……。

 

個性強めで、ミルクアイスにも負けない、パプア州ランシキ 90%

ランシキ以外のカカオ豆は、フィールズオープン時からある、いわゆる“オープニングスタッフ”。しかしこのランシキは、最近入荷したため、はじめて扱う“新入り”。ショコラティエはどのようにこの豆を扱うといいのか考えを巡らせます。

 

カカオ豆をチョコレートにする際、香りが出にくいカカオ豆を使ってしまうと、苦味が先立ってしまうんです。苦味が先立つチョコレートは、全然美味しくない(!)そうです。

 

このランシキ、新入りとて侮るなかれ。発酵の香りが独特で風味にパンチがある。香りがとにかく高い。つまり、チョコレートにしても、アイスクリームにしても個性をもち、美味しくいられることがわかりました。

 

ランシキがはなつ強い個性を発見したショコラティエは、90%のアイスクリームにこのカカオを使うことに決めたそう。実際に食べてみると、ミルクアイスの味に引けを取らない、濃厚さ。チョコレートを食べているかのような味です。

 

パプア州ランキシ 90%

店頭で1番の人気者、スンバ島ゴウラ70%

スンバ島ゴウラ70%は、店頭販売しているクラフトチョコレートの中で一番人気のチョコレート。

高カカオでありながら、苦味が先走らず、「おいしい」と高評価をいただいています。スンバ島ゴウラ70%のクラフトチョコレートとアイスクリームを食べ比べてみる。また新たなカカオの魅力を発見できるかもしれません。(フィールズの店長は、このアイスが一番酸味と甘味のバランスが良くて好きだそうです)

 

スンバ島ゴウラ70%

大事に育てられた、東ジャワ島エデル50%

東ジャワ島エデル50%は、ショコラティエが特におすすめするチョコレートのひとつ。きび砂糖とも相性が良く、食べやすい。これをアイスクリームにしました。

 

実はこのカカオ、なかなかお目にかかれない珍しい品種。病気に弱く、育てるのには徹底された管理が必要なので流通量が少ない。独特な香りを持ちながらも、上品な味わいです。

 

東ジャワ島エデル50%

子供でも食べられる、スマトラ島アチェ 40%

「カカオ含有率40%のチョコレートを作っても、美味しさが伝わらないしなぁ……」

そんな風に思っていたショコラティエ。たしかに、カカオの含有率が下がると、砂糖の味にカカオ豆の味が負けてしまうこともしばしば。では一体なぜ、ショコラティエはカカオ含有率40%のチョコレートを作ることにしたのか?それにはあるお子さんとの思い出があるといいます。

 

オープン当時、美味しいチョコレートを子どもに食べさせたいと親子のお客さまが来店してくださいました。そこでショコラティエは60%のチョコレートをおすすめし、お子さんに食べてもらったそう。嬉しそうにチョコレートをかじるも、お子さんの顔がみるみる険しくなっていく。最終的には、「もう食べたくない」とそっぽを向いてしまったそうです。

 

実は、カカオの含有率が上がれば上がるほど、カカオ独特の食感や味わい、苦味が出てきてしまうんです。お子さんにとっては、甘くなくボソボソしている美味しくないチョコレートと感じたのでしょう……。お子さんのまずそうな顔を見たショコラティエは、このとき「小さい子も美味しく食べれるチョコレートを作ろう」と誓ったそうです。

 

 

子供が食べるものだからといって、手は抜きません。ショコラティエはカカオ豆の特性を理解し、それを活かした美味しいチョコレートを作っていきます。

 

スマトラ島アチェ 40%は酸味と果実のような味が特徴的。一般的なチョコレート作りは、砂糖を加えるのですが、風味のたたないカカオを使うと、砂糖の甘さが際立ってしまい、とにかく甘ったるいチョコレートになってしまいます。

 

甘さと苦さのバランスがよく、砂糖に負けないカカオとして選んだのがこのアチェ。酸味と果実味があるさわやかな味わいで、お子さんにも美味しく食べていただけるアイスクリームに仕上げました。

 

スマトラ島アチェ 40%

 

フィールズスタッフの間でも、好みが分かれるチョコレートアイスクリーム。個性豊かな4種類を食べ比べて、ぜひお気に入りを見つけてください。もしよければ、あなたのお気に入りも教えていただけると嬉しいです。

 

四季とチョコレートを味わいに店頭へ、ECへ

「アイスクリームはいつまで販売する予定なんですか?」とショコラティエに聞いたところ、「一年中です」と元気よく回答いただきました(笑)今年の秋はさつまいも、冬はかぼちゃを使ったアイスクリームを作る構想がすでにあるとのこと。フィールズでは、春夏秋冬、一年を通じて美味しいアイスクリームを食べられることになりそうです。

 

近隣の方は、ぜひフィールズに足を運んでいただき、まんのう町の自然を感じながら、季節のアイスクリームやチョコレートの食べ比べを楽しんでいただけたらと思います。わからないことがあれば、スタッフにぜひお声がけください。

 

まんのう町へなかなか足を運べないという方は、ECで全国配送を承っていますので、ご利用ください。遠方の方にも、私たちが作るカカオの個性をいかしたチョコレートを味わっていただけたら嬉しいです。

 

アイスクリームを食べる子供
今回ご紹介した「旅するチョコレートアイスクリーム」はこちらからご購入いただけます。
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